「え、私の NFT どこ？」FIFA 移行で泣く人続出…救済方法は最後の1週間だけ

ある朝、ふとスマホを開いたとき、かつて大切にしていた写真やメッセージが消えていたら、あなたはどう感じますか？

「えっ、あの思い出はどこへ？」
「ちゃんと持っていたはずなのに…」

それとよく似た出来事が、今 FIFA の NFT コレクターたちの間で起きています。
FIFA がブロックチェーン上で発行していた NFT「FIFA+ Collect」が、新たな時代へと進む準備を始めました。
しかしそれは同時に、過去の NFT がそのままでは使えなくなることを意味していたのです。

FIFA が導入した”再登録”の仕組みとは？
なぜ「再登録」が必要なのか？初心者にもわかる Web3 の仕組み
「ただのデジタルデータ」じゃない。NFT に宿る”想い”を守るために
終わりに──NFT の未来に向けて、今私たちができること

FIFA が導入した”再登録”の仕組みとは？

2023 年5月にスタートした FIFA の NFT プラットフォーム「FIFA+ Collect」。
これは、サッカーの名場面やスター選手の瞬間を記録したデジタル・カードを、NFT として収集・保有できるという新しい試みでした。
熱心なファンは、試合の名場面を「自分だけの宝物」としてブロックチェーン上に刻みました。

しかし、今回 FIFA はこのプラットフォームの技術的な基盤を大幅に変更し、Algorand から Avalanche ベースの独自ブロックチェーン「FIFA Blockchain」へ移行することを発表。
これに伴い、既存の NFT 保有者に対し「自分の NFT を新システムへ再登録（リインポート）してください」と呼びかけています。

まるで引っ越し先に荷物を運び直さなければならないように──。
これまでの NFT は、新しいプラットフォームでは”そのまま”では使えないのです。

なぜ「再登録」が必要なのか？初心者にもわかる Web3 の仕組み

ブロックチェーンの世界では「自分が持っている」と言っても、それは特定のネットワーク上で認識されているという意味です。
たとえば、スマホに入っている音楽が iPhone では聴けるけれど、Android にはそのまま移せないように、NFT もまた”どこで持っているか”が重要なのです。

FIFA が選んだ新しい基盤「FIFA Blockchain」は、より高いパフォーマンス、将来的な新機能、そして改善されたスケーラビリティを目指した Ethereum 互換のプラットフォーム。
これにより、将来的にはより多くの機能やイベント、ファンとのインタラクションが実現される可能性があります。
つまりこれは、単なる「システム変更」ではなく、Web3 時代のファン体験を進化させる一歩でもあるのです。

「ただのデジタルデータ」じゃない。NFT に宿る”想い”を守るために

FIFAは、Algorand ウォレット（Pera や Deflyなど）に NFT を保管しているユーザーに対し、5月20日までにプラットフォームへ戻すよう呼びかけました。
なぜそこまで丁寧に告知するのか──それは、この NFT が単なるデータではなく「記憶」や「想い」を象徴しているからです。

サッカーの名場面、推し選手のゴール、友人と熱狂したワールドカップの一夜。
NFT は、そうした一瞬一瞬を”形”として持ち歩ける、デジタル時代の「記念品」なのです。