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【衝撃】イギリスで「AI先生」が正式デビュー! 宿題採点も保護者への手紙もお任せ—でも日本はどうする?

AI

「先生、また宿題の山ですか?」

これは、放課後の職員室で何度となく耳にしたことのあるフレーズでしょう。
テストの採点、授業の準備、保護者対応……教師という職業は、目に見えない多くのタスクに追われています。

そんな中、イギリスの教育現場に今、ある”助っ人”が登場しています。

その名も「AI(人工知能)」。

AIというと「未来の話」「難しそう」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、今回のお話は私たちのすぐそばにある教育の話であり、AIがどうやって”先生の味方”になるのかという物語なのです。

イギリス政府が正式に”ゴーサイン”を出した

2025 年6月11日、イギリス教育省は「教師が教育現場でAIを活用すること」に正式な後押しをしました。
これまでも一部の学校では実験的にAIツールを取り入れていましたが、今回は国全体として「AIを味方につけよう」という動きが始まったのです。

ただし、AIの使用は「低リスクなタスク」に限定されており、保護者への手紙の作成や宿題の採点といった業務での活用が推奨されています。

では、AIは実際に何をしてくれるのでしょうか?

AIは「完璧なアシスタント」になれるのか?

教育省のガイダンスによると、具体的な活用例として挙げられているのが、次のような場面です。

  • 授業計画の作成:レッスンプランの作成をAIがサポート
  • 教材作成の補助:教育リソースの作成をAIが支援
  • 採点とフィードバック:宿題の採点や生徒へのフィードバック作成
  • 事務作業:保護者への手紙作成などの管理業務

この決定の背景には、2023 年に教育省が実施した教師へのアンケート調査があります。
調査では、多くの教師がAIの教育現場での活用について「概ね楽観的」であることが分かりました。
ある数学教師は「数学教師の深刻な不足により、もはや数学の宿題を手作業で採点することは現実的ではない」と語っています。

「AIが代わりにやってくれるから、教師はもっと”教える”ことに集中できるんです」と、調査に参加した教師たちは答えています。

これは、まるで家庭で使える「自動掃除機」が登場したときと似ています。
掃除そのものを完全に手放すわけではないけれど、その手間をグッと減らしてくれる。
そんな”賢い助っ人”が、教育現場にもやってきたのです。

でも、不安の声もある。「AIに任せていいの?」

もちろん、すべてが順風満帆というわけではありません。

「AIが判断することに、本当に信頼を置けるのか?」
「教師の役割が機械に取って代わられるのでは?」

こうした疑問や不安は、教育者や保護者の間でも根強く存在します。
特に教員組合からは、学校評価でのAI使用に対して反対の声も上がっています。

しかし教育省は、このAI活用が「教師を置き換えるものではなく、支えるためのもの」だと強調しています。
AIが生成した内容の正確性や適切性を確認する最終的な責任は、常に教師と学校にあるとしています。
あくまで”共存”がキーワードなのです。

たとえるなら、教師は”船長”、AIは”優秀な航海士”。
進むべき方向を決めるのはあくまで人間であり、AIはその旅をより安全に、効率的にしてくれる存在なのです。

変わるのは、教育の”形”ではなく”質”

教育現場にAIが加わることで、変わるのは「形」ではなく「質」です。

教師が事務作業から解放され、生徒一人ひとりと向き合う時間が増える。
そんな未来が、現実になりつつあります。

教育省は、AI活用によって教師の無給残業の負担を軽減し、ワークライフバランスの改善と職務満足度の向上につながることを期待しています。
これは深刻な教師不足の解決にも寄与する可能性があります。

実際、イギリスでは教師の離職率が 8.8% に達し、教師 1000 人あたりの空きポストも 2022 年から1年間で3つから6つに倍増するなど、教育現場は深刻な人手不足に直面しています。
33人以上の大規模クラスでの授業が当たり前となり、100 万人以上の生徒が30人を超えるクラスで学んでいるのが現状です。

「AIで変わる教育」は、他人事ではない

今回のイギリスの動きは、他の国々にも大きな影響を与えるはずです。
実際、世界中の教育機関がAIの可能性に注目しており、これから数年で教育のあり方が大きく塗り替えられていくでしょう。

そして何よりも大切なのは、私たちが「AIとどう向き合うか」を考えることです。

ただ便利な道具として使うのではなく「人間の教育力を引き出すためのパートナー」として育てていく。
その視点が、これからの教育には求められているのかもしれません。

最後に:根本的な課題も忘れてはならない

しかし、原文の記者も指摘している通り、イギリスの教育が直面している最も深刻な問題は技術の問題ではなく、長年にわたる慢性的な予算不足です。

全国校長会によると、2009-10 年度から 2021-22 年度の間に、学校への設備投資は物価調整後で 29% 減少しました。
生徒一人当たりの学校予算も実質9%減少しています。

AIは確かに教師の負担軽減に役立つかもしれませんが、月数ドルのAIサブスクリプションと、教育予算の根本的な増額とでは、その影響は大きく異なります。

かつての教師は、教室という名の”ひとり舞台”に立っていました。
しかし今、テクノロジーという名の共演者が登場しています。

AIは、教師の情熱を奪う存在ではありません。
むしろ、その情熱を生徒にしっかりと届けるための”静かな支え”になる存在なのです。

もしこの記事を読んでいるあなたが、教育に関わる方なら―― 「AI先生、ちょっと手を貸して」と、そっと声をかけてみてください。

ただし、真の教育改革には、技術だけでなく適切な予算と人的投資も必要であることを忘れてはならないでしょう。

参考:Teachers in England given the green-light to use AI

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