AIと抗酸化力が教えてくれる、プレ糖尿病の本当の怖さ
ある日、仕事終わりに立ち寄った健康診断で、ふと手渡された検査結果。
「血糖値、ちょっと高めですね。プレ糖尿病の可能性もあります」
…そんな言葉に、あなたならどう反応しますか?
体調は悪くない。
食事もまあまあ気をつけてるつもり。
「プレ糖尿病」と言われても、ピンとこない。
それが多くの人の本音です。
けれどその”静かなサイレン”は、すでに体の中で鳴り響いているかもしれません。
プレ糖尿病とは、「未来の糖尿病予告状」
プレ糖尿病は、まだ糖尿病ではないけれど、その一歩手前の状態。
毎年5〜10%の人が、ここから本格的な糖尿病へと進んでいきます。
でも、それは同時に「今なら引き返せる」というサインでもあります。
実はこの段階で生活を見直せば、回復できることもあるのです。
では、どうすればその”兆し”に気づけるのでしょうか?
答えは、AIが持っていました
「抗酸化力」と「お腹まわり」がカギを握る?
インドの研究チームが開発したAIモデル(Pattern Neural Network:PNN)は、従来の医療の見方を変えるものでした。
これまで糖尿病のリスクは、血糖値やBMI(体格指数)など、わかりやすい数値で判断されてきました。
しかしこのAIは「抗酸化力(TAS)」という新しい視点を導入したのです。
抗酸化力とは、活性酸素という”体の中で暴れる火種”を消し止める力のこと。
これが弱まると、体の細胞は少しずつ傷つき、糖尿病や心臓病といった病気のリスクが静かに高まっていきます。
研究によれば、プレ糖尿病の人は健康な人に比べて抗酸化力が著しく低く、炎症の火種がくすぶっている状態でした。
たとえるなら、こうです。
抗酸化力が高い人の体は、毎日ピカピカに磨かれた車のようなもの。
多少のホコリがついてもサッと払えます。
でも、抗酸化力が低下した体は、ワイパーの壊れたフロントガラスのよう。
汚れがたまって視界が曇り、やがて事故を招く危険があるのです。
そしてもう一つの重要な指標はウエスト周囲(お腹まわり)。
AIが見抜いたのは、「抗酸化力」と「お腹まわりのサイズ」が、糖尿病リスクを読み解く最重要ヒントだったという事実でした。
驚異の予測精度、98.3%
このAIモデルの凄さは、ただの”面白い発見”にとどまりません。
なんとこのモデルは、98.3%の精度でプレ糖尿病を予測することに成功しました。
他のAI技術(SVM:96%、KNN:83%、ロジスティック回帰:71%)を上回る結果です。
つまり、もしあなたの体の情報(年齢・血液検査・抗酸化力など)をこのAIに入力すれば、糖尿病になる前に「気づく」ことができる可能性が高いのです。
「まだ症状がない」からこそ、AIの出番
プレ糖尿病の恐ろしさは、「気づけないこと」にあります。
病院に行くほどではない。
でも、何かがズレ始めている。
そんな段階での「気づき」を、AIは見逃しません。
このAIモデルは、いわば「体の未来予報士」。
晴れの日も、曇りの日も見逃さず「大雨注意報」を出してくれるのです。
そして今、私たちにできること
この研究は、インドでの限られた人数(199人)を対象にしたものです。
けれど、そのメッセージは全世界共通です。
「あなたの体は、今どう感じているか?」
「未来の健康のために、何を選びますか?」
プレ糖尿病は、”まだ発症していない”というラッキーな時間。
その時間を、チャンスに変えられるかどうかは、今、この記事を読んでいるあなたの選択にかかっています。
参考:Artificial intelligence model as a tool to predict prediabetes
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