ある日のこと。
海外のクライアントとのビデオ会議が終わったあと、あなたはどっと疲れを感じています。
聞き慣れない英語に神経をすり減らし「このニュアンス、ちゃんと伝わったかな?」と不安がよぎる…。
そんな経験、ありませんか?
言葉が通じない—それは、まるで透明な壁が目の前にあるような感覚。
けれど今、その壁が静かに、しかし確実に崩れ始めています。
その鍵を握っているのが、Google Meet のリアルタイム音声翻訳機能なのです。
Google Meet が”翻訳者”になる時代へ
2025 年5月20日、Google I/O にて、Google は自社のビデオ会議ツール「Google Meet」にリアルタイムの音声翻訳を導入すると発表しました。
この機能は Google DeepMind の大規模言語音声モデルを活用し、異なる言語を話す人々との自然で円滑な会話を可能にします。
しかもこの翻訳、ただの「字幕表示」ではなく音声での翻訳です。
声のトーン、表現もそのまま保持されるため、まるで隣に優秀な同時通訳者が座っているかのような感覚—それが、今回のアップデートの核心です。
実際、どう使うの?
たとえばあなたが日本にいて、英語圏の同僚と Google Meet で会議をするシーンを想像してください。
相手が英語で話すと、その音声の上に翻訳された日本語が重なって聞こえます。
相手の元の声も微かに聞こえたままです。
Google によれば、英語を話す孫がスペイン語を話す祖父母と会話したり、異なる地域で活動する企業が言語の壁を越えてグローバルな同僚とリアルタイムにつながったりするなど、様々な使用例があるといいます。
この機能は、5月21日(火)からコンシューマーAIサブスクリプション加入者向けにベータ版として提供開始されます。
最初は英語とスペイン語のみの対応ですが、数週間以内にイタリア語、ドイツ語、ポルトガル語も追加される予定です。
Google Workspace ユーザー向けには今年中に初期テストが予定されています。
「翻訳」はもはや”補助輪”ではない
一昔前まで、翻訳ツールは「仕方なく使うもの」「意味は分かるけど、ぎこちない」ものでした。
しかし今、AIの進化により翻訳は会話の潤滑油としての役割を担うようになっています。
それはまるで、言葉の違いが「アクセント」くらいに感じられる世界。
人種や国境と同じく「言語」も単なる多様性のひとつとして受け入れられる社会が、すぐそこまで来ているのです。
ただの技術革新ではない、「人と人をつなぐ」挑戦
Google Meet のリアルタイム翻訳が目指しているのは、単なる利便性の追求ではありません。
それは人と人の間にある見えない壁を取り払うこと。
どんな国の人とも、どんな文化の人とも、フラットにつながれる未来。
その第一歩が、まさに今、踏み出されたのです。
終わりに:言葉の壁があった世界を、私たちはきっと懐かしく振り返る
「昔は、英語が苦手で会議が怖かったなあ」そう語る未来の自分の姿が、少し想像できませんか?
Google Meet のリアルタイム翻訳は、まだ完璧ではないかもしれません。
それでも、この機能が広がれば“話せない”ことを理由に夢を諦める人が減るかもしれない。
言葉が「壁」から「橋」に変わる—そんな時代が、すぐそこまで来ています。
さあ、次の会議は、言葉の不安にさようならをして、思い切り伝えたいことを話してみましょう。
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