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YouTube クリエイター震撼! AI量産動画の”大粛清”が始まる…生き残れるのは誰?

AI

朝のコーヒータイム。
お気に入りの YouTuber の新作がないかと、何気なくアプリを開く。
でも、そこに並んでいたのは――声のトーンも構成も、なぜか全部が「どこかで見たような」動画ばかり。

「これ、昨日見たやつと同じじゃない?」
「いや、違うチャンネルなのに、なぜか内容が被ってる…」

そんな”デジャブ”な瞬間、最近増えていませんか?

今、YouTube の世界で静かに広がっているのが「AIスロップ」と呼ばれる、AIが自動生成した大量の”似たような動画”です。
まるで量産されたコンビニ弁当のように、味気なく、個性も感じられない。
便利だけれど、ちょっと疲れる――そんな動画たちが、私たちのフィードを埋め尽くし始めているのです。

なぜ今、YouTube が動いたのか?

2025 年7月9日、YouTube は7月15日から YouTube Partner Program(YPP)の収益化ポリシーを更新し「非本物的な(inauthentic)」コンテンツ、つまり「大量生産・反復的な動画」への対策を強化すると発表しました。
背景には、AIスロップと呼ばれる低品質なAI生成コンテンツの急増があります。

実際、YouTube 上では数百万人の登録者を持つAI音楽チャンネルや、ディディの裁判などのニュースイベントについて数百万回再生されるAI生成の偽動画、さらには完全にAI生成された犯罪ドキュメンタリーシリーズなどが問題となっています。

一方で、YouTube の編集・クリエイター連携責任者である Rene Ritchie 氏は、今回の変更は既存ポリシーの「軽微な更新」であり、リアクション動画やクリップを使用した動画は対象外であることを明言しています。

実際に、ある若手の映像クリエイターはこう語っていました。

「僕が5日かけて編集したドキュメンタリー動画が、AIで1時間で作られた『似たような動画』の中に埋もれてしまって、ほとんど再生されなかったんです。悔しかったですよ。人の目にも、アルゴリズムにも届かないなんて。」

YouTube は、そんな”クリエイターの悲鳴”を無視しませんでした。

どんな動画が対象になるの?

YouTube が今回の対策で問題視しているのは「非本物的な(inauthentic)」コンテンツ、つまり大量生産されたり反復的だったりする動画です。
具体的には、写真や動画クリップの上にAI音声を重ねただけの動画や、既存のコンテンツを再利用しただけのもの、テンプレート通りで感情も個性もない内容などが対象となります。

ただし重要なのは、リアクション動画やクリップを使用した動画は今回の規制対象外ということです。
YouTube は「オリジナル」で「本物の」コンテンツであれば、従来通り収益化が可能としています。

こうした動画は、検索結果に表示されにくくなったり、YouTube Partner Program から除外されて広告収入の対象から外されたりする可能性があります。
実際、こうしたコンテンツは長年にわたって収益化の対象外とされてきましたが、AI技術の発達により大量生産が容易になったため、より明確なガイドラインが必要となったのです。

つまり、ただ数を増やすだけの”AI量産型動画”では、今後 YouTube の舞台で生き残るのは難しくなりそうです。

AIは敵ではない。「どう使うか」がカギ

ここで大切なのは「AIを使うこと自体が悪ではない」ということ。
YouTube 側も「創造的な使い方をするAI動画は歓迎」と明言しています。

たとえば、アイデアのブレインストーミングにAIを使ったり、原稿や構成をAIで仮生成してそこに自分の体験や意見を加えたり、翻訳や字幕の作成をAIで効率化したりといった使い方が考えられます。

こうした使い方は、むしろ今後のクリエイターの力になるはずです。

ただし―― 「AIで誰でも動画が作れる時代」だからこそ“あなたにしか語れないこと” が、よりいっそう大きな価値を持つようになります。

今、求められるのは”人間の温度”

視聴者が本当に求めているのは「誰かの声」「誰かの経験」「誰かの想い」が込められた動画です。

たとえば、ある日突然失敗したエピソードを通して得た学びや、旅先で出会った誰かの言葉が心に残った話「自分はうまく話せない」と思いながらも勇気を出して投稿した最初の動画など――そんな”揺らぎ”や”戸惑い”こそ、AIには出せない人間らしさであり、視聴者の心を動かす力なのです。

AIとともに歩く未来へ:あなたの声には、AIには出せない”温度”がある

AIが進化する今だからこそ、私たち人間にしかできない表現が輝きを増しています。

それは、失敗談を交えながら話す「ちょっと苦い経験」かもしれません。
あるいは、誰にも気づかれなかった日常の中の「小さな発見」かもしれません。

YouTube の新しい一手は、プラットフォームの価値と信頼性を守るための重要な対策です。
YouTube は今回の変更を「軽微な更新」と表現していますが、実際にはAIスロップの拡散を防ぎ”心のこもったコンテンツ”がもう一度評価される世界へと、舵を切るサインと言えるでしょう。

同じ言葉でも、誰がどう語るかで、伝わり方はまったく変わります。
AIが作った脚本にはない”あなたの声”を、これからも世界に届けてください。

参考:YouTube prepares crackdown on ‘mass-produced’ and ‘repetitive’ videos, as concern over AI slop grows

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