夜、仕事を終えて SNS を見ていたときのこと。
ある一文が目に飛び込んできました。
「GLM-4.5 登場──中国発、次世代推論・コーディングAI」
ChatGPT や Claude が話題になるたび、何度も同じようなニュースを見てきました。
正直、最初はスルーしかけました。
でも、その先の言葉に背筋が伸びたのです。
“推論 × コーディング × エージェント機能”
思わず、手が止まりました。
これはただの技術発表じゃない──AIの「使い方」そのものを変えようとしているのでは?
「GLM-4.5」って何? ざっくり言うと”思考する専門家AI”
GLM-4.5 は、Z.ai が提供する大型言語モデルです。
355 億の総パラメータと32億の活性パラメータを持つ GLM-4.5 と、106 億の総パラメータと12億の活性パラメータを持つ GLM-4.5-Air の2つのバリエーションがあります。
特徴をひとことで言うと「推論・コーディング・エージェント機能に特化した知的な相棒」。
複雑な推論問題を解いたり、高度なコーディングタスクをこなしたり、ツールを使いこなしてエージェントとして動作したり、ウェブブラウジングで情報を収集・分析したりと、知的作業に特化した能力を持っています。
つまり、思考力と実行力を兼ね備えた「デジタルの専門家」のような存在なんです。
思考モード × 即応性 × 一貫性──GLM-4.5 がすごい理由
技術的な話を少しだけ。
GLM-4.5 は「思考モード」と「非思考モード」を使い分けられるハイブリッド推論モデルです。
複雑な問題には時間をかけて深く考え、簡単な質問には瞬時に答える──まさに人間のような思考パターンを実現しています。
どういうことかというと、会話の途中で話がブレることがなく、ずっと同じトーン・性格で接してくれて、長文を書かせても「らしさ」が崩れません。
たとえば、あなたがAIにビジネスメールを頼んだとき、最初は丁寧なのに最後だけ砕けてしまう……そんなことが起きにくくなっているのです。
他のAIと違う最大のポイントは?「閉じない姿勢」
多くのAIが「クラウドでしか動かせない」「APIだけしか使えない」といった制限がある中で、GLM-4.5 はオープンウェイトモデルとして提供されており、ローカルでも動かすことができます。
これはかなり革新的。
企業が自社のデータと組み合わせて安心して使える。
開発者が自由に実験できる。
つまり、AIが”所有物”にもなりうる世界が広がっているのです。
オープンウェイト文化を重んじる姿勢は、まさに「民主的AI」の象徴と言えるかもしれません。
これは、誰のためのAIなのか?
GLM-4.5 を見ていて思ったのは、これはただの研究成果ではなく、
「あなたの隣で働く思考するAI」
を目指しているということです。
エンジニアが複雑なバグ修正に悩むとき、研究者が数学的証明に取り組むとき、開発者が Web アプリケーションを一から構築するとき──その横に、深く考え、ツールを駆使し、実際に動くコードを生み出すAI。
派手さではなく”思考する知性”。
GLM-4.5 には、そんな「深度」が感じられるのです。
さらに、Claude Code や Roo Code、CodeGeex といった既存のコーディングツールキットとシームレスに連携できる設計も、実用性への強いこだわりを物語っています。
未来は、競争ではなく共創へ
AI戦国時代とも言える今、アメリカ、ヨーロッパ、そして中国がそれぞれの形で未来を模索しています。
GLM-4.5 の登場は、単なる「中国勢の逆襲」ではありません。
それは「どんなAIが、私たちと共に生きるべきか?」という問いかけ。
そしてその答えの一つが、ここにあるのかもしれません。
最後に──この名前を、忘れないでください
今はまだ「GLM-4.5」という名前にピンと来る人は少ないかもしれません。
でも、数年後。
あなたが仕事で、創作で、学びで困ったとき「このAIに頼めば大丈夫」と思える日が来るかもしれません。
そのとき、今日読んだこの記事をふと思い出してもらえたら──それは、未来からの小さな予告だったのかもしれません。
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