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もうAIに“うまく伝えられない”とは言わせない。Hero SDK がすごすぎた

AI

「なんて言えば、AIにうまく伝わるんだろう?」

この問い、あなたも一度は頭に浮かべたことがあるのではないでしょうか?

AIを使いこなすには「プロンプト(指示文)」が重要だと、最近よく耳にしますよね。
でも実際に ChatGPT や他のAIツールを使ってみると「思った通りの結果が出ない」「もっといい書き方があったんじゃないか」――そんなモヤモヤに直面すること、ありませんか?

そんな”言葉選びのストレス”を丸ごと解決してくれる、ちょっと未来っぽい技術が登場しました。

その名も「Hero SDK」
これは、AIに向けたプロンプトを自動補完してくれる新しい開発ツールなんです。

AI時代の「通訳」――Hero SDK ってなに?

この Hero SDK を開発したのは、生産性アプリとして急成長している「Hero」というスタートアップ。
創業者のブラッド・コワルク氏とスン・W・リー氏は、ともに元 Meta(旧 Facebook)の社員で、コワルク氏は Facebook ストーリーズのプロダクトマネージャー、リー氏はエンジニアとして働いていました。

今回発表された Hero SDK(Software Development Kit)は、開発者が自分たちのアプリに「プロンプト自動補完機能」を簡単に組み込めるようにするツールです。
現在は招待制で提供されています。

たとえば、「フライトを予約」と入力すると、SDK が自動的に「目的地」「出発日」「航空会社」「帰国日」などのフィールドを提案してくれます。ユーザーは好きなタイミングで入力を止めて、チャットボットに送信できるのです。

言い換えれば、Hero SDK は「AIとの会話の通訳」のような役割を担ってくれるのです。

なぜこの機能が必要とされているのか?

いま、生成AIの活用がどんどん進んでいます。
でも、その一方で「プロンプトの作り方が分からない」「高度な使い方が難しい」と感じている人も多いのが現実。

この機能の開発を担当した Hero のエンジニア、サハーシュ・ヴェディ氏は次のように語っています。

「通常、AIアプリで望む結果を得るには、何度もやり取りを繰り返す必要があります。この自動補完機能を使えば、より少ないプロンプト、場合によってはたった1つのプロンプトで目的を達成できるのです」

まさに、プロンプトの壁。
Hero SDK は、この「見えない壁」を取り払って、誰もが自然にAIを使える世界を目指しているのです。

Hero SDK のすごいところ:プロンプト”だけ”じゃない

Hero SDK は単に文章を整えてくれるだけではありません。

コワルク氏によると、Hero は一連のモデルを使って、ユーザーが次に何を入力するかを予測しているといいます。
「AI自動補完により、アクションを完了するために必要なすべての入力を前もって提示することで、やり取りが減り、10倍速く完了できます。これにより、旅行から商取引、広告からカスタマーサポートまで、まったく新しいユースケースが可能になります」

さらに、メッセージのやり取りが減ることで、大規模に運用している企業はサーバーコストを節約できるという利点もあります。

画像生成や動画生成AIを使う際にも、この機能は役立ちます。
自動補完が「オブジェクト」「スタイル」「場所」「風景」「カメラアングル」といったさまざまなパラメータを提案してくれるのです。

実は、私たちの日常にもすぐにやってくる

Hero SDK の登場は、開発者やエンジニアだけの話ではありません。
この仕組みがさまざまなアプリに組み込まれていけば、私たちの身近なツールがどんどん「気が利く存在」へと進化していくのです。

実際、Hero 自身のアプリでは、この技術のバージョンをすでにテストしており、ユーザーが会議の時間を見つけたり、友人と会う約束をしたりする際に、自動補完プロンプトで支援しています。
この機能は数か月以内にユーザーに公開される予定です。

また、Hero は広告テクノロジー企業の Koah Labs とも協議中で、ブランドが自動補完の候補に表示されるAI搭載広告の開発を進めています。
たとえば「休暇を予約」と入力すると、ホテルチェーンや航空会社が自動補完の選択肢として表示される――そんな新しい形の文脈型広告の可能性も広がっているのです。

言葉にできない思いを、カタチにしてくれる存在へ

「AIは便利そうだけど、うまく使いこなせない」――そんな悩みを持っていた人にとって、 Hero SDK はまさに「橋渡し」となる技術です。

私たちはつい「AIを使いこなすには頭が良くないと」とか「難しいプロンプトを書けないと」と思いがち。
でも本当に必要なのは、あなたの気持ちや目的を自然に伝えられることです。

Hero SDK は、それを肩代わりしてくれる存在になり得ます。

最後に:AIは、もっとやさしくなれる

これからの時代、AIはますます私たちの生活に入り込んできます。
でもそのとき、重要なのは「どれだけ賢いか」ではなく「どれだけ人に寄り添えるか」。

コワルク氏とリー氏が Meta でAR機能に携わった経験をもとにこの技術を開発したように、Hero SDK は、その一歩を静かに、でも確実に踏み出しました。
そしてそれは、誰もがAIと自然に向き合える、やさしい未来の始まりなのかもしれません。

参考:Productivity app Hero announces an SDK that will complete your AI prompts for you

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