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AI導入の壁を越える:パイロット段階から企業全体への展開へ

AI

多くの企業が今、同じ悩みを抱えています。
AIの実験的な導入には成功したものの、そこから先の本格展開に進めないのです。

生成AIを試してみる企業は増えました。
しかし、実験段階から実際の業務での運用に移行する際、セキュリティやガバナンスの整備、既存システムとの統合といった壁にぶつかり、多くのプロジェクトが停滞しています。
IBMはこの課題に対応するため、企業が自社のAIインフラを一から構築するのではなく、既存の部品を組み合わせて構築できる新しいサービスを発表しました。

従来とは異なるコンサルティング手法

これまでのコンサルティングサービスは、システムの統合や課題解決を人の手に頼っていました。
そのため時間もコストもかかります。
IBMが提供する新しいアプローチは、従来の専門的なアドバイスに加えて、すでに完成したソフトウェア部品のカタログを用意し、企業が自社に合ったAIプラットフォームを組み立てられるよう支援するものです。

企業はすべてをゼロから開発する必要がありません。
既存のアーキテクチャを活用して業務プロセスを見直し、AIエージェントを現在使っているシステムに接続できます。
これにより、現在のインフラやクラウドサービス、AIモデルを変更することなく、新しいAIアプリケーションを段階的に導入し、価値を生み出すことができるのです。

特定のベンダーに縛られない柔軟性

多くの企業リーダーが懸念するのが、特定のベンダーのシステムに依存してしまうリスクです。
IBMの戦略は、企業のIT環境が多様であることを前提としています。

このサービスは、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azureといった主要なクラウドプラットフォームに加え、IBM watsonxにも対応しています。
また、オープンソースとクローズドソースの両方のAIモデルをサポートしているため、企業は既存の投資を活かしながら、新しい技術を取り入れることができます。
システムを丸ごと入れ替える必要がないため、技術的な負債を心配する必要もありません。

技術的な基盤となっているのは、IBM Consulting Advantageという同社の内部プラットフォームです。
IBMはこのシステムを使って150以上のクライアント案件を支援してきました。
社内のコンサルタントの生産性が最大50%向上したという実績があり、クライアントにも同様の効果をもたらせるはずだという考えです。

このサービスでは、業界ごとに特化したAIエージェントやアプリケーションを集めたマーケットプレイスも利用できます。
ビジネスリーダーにとっては、個々のAIモデルを管理するのではなく、人とAIが協働するエコシステム全体をマネジメントする視点が重要になってきます。

実際の活用事例

このプラットフォーム中心のアプローチが本当に機能するのか。
それは実際の導入事例を見るのが一番です。

グローバルな教育企業Pearsonは、現在このサービスを使ってカスタムプラットフォームを構築中です。
人間の専門知識とAIアシスタントを組み合わせて、日々の業務や意思決定を支援する仕組みを作っています。

ある製造業の企業も、IBMのソリューションを使って生成AI戦略を本格化させました。
まず価値の高い活用場面を特定し、小規模なプロトタイプでテストを重ね、経営層の合意を形成していきました。
最終的には、セキュアな環境の中で複数の技術を活用するAIアシスタントを導入し、将来的な全社展開に向けた土台を築くことができました。

これからの課題

生成AIへの関心は高まっていますが、それが実際に企業の業績向上につながるかどうかは別の話です。

IBMコンサルティングのSVP兼責任者であるMohamad Aliはこう語ります。
「多くの組織がAIに投資していますが、本当の価値を大規模に実現することは依然として大きな課題です。私たちはIBM社内でAIを使って業務を変革し、測定可能な成果を出してきました。その経験から得た実証済みの方法論で、クライアントの成功を支援できます」

議論の焦点は、AIモデル自体の性能から、それを安全に運用するためのシステム設計へと移ってきています。
AIの導入を成功させ、価値を生み出すには、新たな縦割りを作ることなく、既存のシステムとうまく統合できるかどうかがカギとなります。
リーダーには、事前に用意されたAIツールを導入する際にも、データの管理とガバナンスの基準をしっかりと守ることが求められます。

AI導入の成功には、技術的な能力だけでなく、組織全体での戦略的な統合とガバナンスの確立が欠かせません。
実験段階から本格運用へ。
その壁を越えられるかどうかが、企業の競争力を左右する時代になっています。

参考:Scaling AI value beyond pilot phase purgatory

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