こんな経験、ありませんか?
会議の議事録がPDFで届いたけど、どこに何が書いてあるのか分からない。
膨大な資料の中から、今必要な情報だけを見つけたいのに、時間ばかりが過ぎていく。
もし、そんな「PDFの壁」を一瞬で取り払ってくれるツールがあったとしたら、あなたの働き方はどう変わるでしょうか?
2026年1月、Adobeが発表したAcrobatの新機能は、まさにその”未来”を、現実のものにしてくれました。
「プロンプトでPDF編集」がついに可能に
Adobeが今回リリースしたのは、生成AIを活用したAcrobat AI Assistantの新機能。
これにより、ユーザーは自然な言葉で指示するだけで、PDFファイルの要約、編集、情報抽出ができるようになったのです。
たとえば「ページを削除して」「この単語を置き換えて」「電子署名を追加して」といった指示が可能になりました。
Acrobatは現在、ページやテキスト、コメント、画像の削除、単語やフレーズの検索と置換、電子署名やパスワードの追加など、計12種類の操作に対応しています。
まるで優秀な秘書のように、ユーザーの指示を即座に理解し、必要な作業を自動でこなしてくれる時代が到来したのです。
「Adobe Spaces」から生まれる、新しいコラボレーション
さらに注目すべきは、2025年に開始された「Adobe Spaces」との連携機能です。
Spacesは複数のユーザーがファイルやノートにアクセスできる共有ワークスペース。
このSpaces内に保存された情報を活用して、AIがプレゼンテーションを生成できるようになりました。
たとえば、財務データ、製品計画、競合分析がSpacesに揃っていれば「なぜ自社製品が競合より優れているか」を示すピッチデッキを、プロンプト入力だけで作成できます。
AI Assistantがまず編集可能なプレゼンテーションの骨子を生成し、その後Adobe Expressのテーマライブラリやストックフォト、あるいは自社の画像を使って仕上げることが可能です。
ブランドテーマの適用や個別スライドの編集もExpressで簡単に行えます。
「ポッドキャストの要約」まで自動で
驚くべきは、PDF編集だけにとどまらないその進化です。
AdobeはファイルやSpaceの内容から、ポッドキャスト形式の音声要約を生成する機能も追加しました。
数十分の文書も、わずか数秒で「聞きやすい音声要約」に変換されるのです。
長時間の会議資料を「あとで読もう」と放置してしまった経験、誰しも一度はあるはずです。
そんな文書も、AIが読み解き、音声で「要点だけを伝えて」くれる。
時間の節約にも、情報の共有にも、まさに革命的な進化と言えるでしょう。
生成AIと「情報の距離」がゼロになる世界
今回のアップデートを通じて見えてくるのは「情報を扱う力」が技術によって劇的に拡張される未来です。
これまでは、PDFという形式自体が「読む人の手間を前提にした」ものでした。
いくら便利な保存形式でも、情報にアクセスするためには”読み解く労力”が必要だったのです。
でも、Acrobat AI Assistantは、その常識を根本から変えようとしています。
Spacesでファイルを共有する際、AIが自動生成した要約が添付され、引用元のファイル内の正確な位置まで示されます。
共同作業者はファイルにコメントを付けたり、コンテンツを追加・削除したりすることも可能です。
さらに、デフォルトのAI Assistantだけでなく「アナリスト」「エンターテイナー」「インストラクター」といった役割を選んだり、カスタムプロンプトで独自のアシスタントを作成したりすることもできます。
情報を探す、読む、要約する。
そのすべてをAIに任せることができれば、私たちは「考えること」にもっと集中できるようになる。
そんな未来が、すでに始まっているのです。
Adobeが描く「AI×ドキュメント」のこれから
この新機能群は、AcrobatとAdobe Expressの統合によって実現されています。
プレゼンテーション作成やポッドキャスト要約といった機能は、CanvaやGoogle NotebookLM、Speechify、ElevenLabsのReader appなど、他のツールでも提供されていますが、Adobeはこれらを既存のドキュメントワークフローにシームレスに組み込むことで差別化を図っています。
企業にとっては、ドキュメント管理のコスト削減だけでなく、チーム間のコミュニケーションの質の向上にもつながる、大きな可能性を秘めたアップデートと言えるでしょう。
「読む」から「問いかける」へ 新しい文書との向き合い方
かつて、私たちは本や書類を”読む”ことで情報を得てきました。
しかしこれからは”話しかける”ことで情報にアクセスできる時代へとシフトしていきます。
言い換えるなら、PDFはもはや「読み解く対象」ではなく「対話するパートナー」になりつつあるのです。
そしてこの変化は、働き方だけでなく、知識との向き合い方そのものを静かに、しかし確実に変えていくでしょう。
参考:Adobe Acrobat now lets you edit files using prompts, generate podcast summaries
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