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「ヘルプデスク、もう怖くない」──問い合わせ地獄を救う“リゾット”というAI革命

AI

たとえばあなたが、社内のパソコンが壊れたときのことを思い出してみてください。
「ヘルプデスクに連絡して」と言われて、専用のチケッティングシステムを開いたものの、どのカテゴリを選べばいいか分からない、説明欄に何を書けばいいか迷う、そして結局「担当外です」と返されるあの虚しさ。

もしくは、あなたがIT部門で働いているなら「このチケット、情報が足りない」「同じ内容の問い合わせが何件も来る」そんな悩みを日々抱えているかもしれません。

実はこの「業務用の問い合わせ管理(チケッティング)」という分野、使う人にとっても、処理する人にとっても、なかなかのストレス源になっているのです。

そんな”見過ごされがちだけれど、誰もが困っている”課題に正面から取り組んでいるスタートアップがあります。
その名もRisotto(リゾット)。
ちょっと美味しそうな名前ですが、やっていることはかなり先進的です。

「問い合わせ」って、もっとシンプルでいいはず

Risottoは、チケッティングシステムにAIを組み込み、問い合わせ作業を驚くほどスムーズにすることを目指しています。

たとえば、ユーザーが「パソコンの音が出ない」と一言打てば、AIが自動で関連するトラブルシューティング情報を提案したり、適切な部署に割り振ってくれたりする。
つまり「どこに何を書けばいいの?」という悩みごと、AIが肩代わりしてくれるのです。

Risottoの本質は、JiraのようなチケットシステムとITツール群の間に立ち、複雑な業務を自動で解決することにあります。
サードパーティの基盤モデルを使用していますが、CEOのAron Solbergが強調するのは「AIとユーザーの間に構築したインフラこそが真髄だ」ということ。
プロンプトライブラリ、評価スイート、そして数千にのぼる実例で訓練されたAIが、期待通りの動作を確実にするのです。

実際、給与管理会社のGustoでは、Risottoの導入によってサポートチケットの60%を自動化することに成功しました。

なぜ「リゾット」なの?名前に込められた想い

「リゾット」は、さまざまな材料を煮込んで一体化させる料理。
この名前には「複雑でバラバラな業務プロセスを、滑らかに一つにまとめたい」という想いが込められているそうです。

この比喩、実に見事です。
ITチーム、カスタマーサポート、社内ユーザー。
さまざまな立場の人たちが関わる業務の中で、AIが”うま味”を引き出しながら調和させてくれる。
まさに、リゾットのように。

VCも注目、1,000万ドルの大型シード資金を獲得

このビジョンに強く共感したのが、著名VCのBonfire Ventures。2026年1月、Risottoは同社をリード投資家として、1,000万ドル(約15億円)のシード資金を調達しました。

このラウンドには、645 Ventures、Y Combinator、Ritual Capital、SurgePoint Capitalも参加しています。
彼らの存在は、Risottoが”単なるAIスタートアップ”にとどまらない、業務改革の本命として期待されていることを示しています。

「未来の業務」は、もっと人にやさしくなれる

現在、Risottoの顧客の95%では、人間が従来の方法でチケットを処理していますが、新しい世代の企業では、人間とテクノロジーをつなぐ主要インターフェースとして大規模言語モデル(LLM)を採用する動きが見られています。

Solbergのチームは、すでにChatGPT for EnterpriseやGeminiとの統合にも取り組んでおり、MCPを介してRisottoを接続しています。
このアプローチが一般化すれば、業界に大きな変革が訪れるでしょう。
RisottoのようなツールがAIから呼び出される形となり、汎用システムでは実現できない、より焦点を絞った信頼性の高いサービスを提供することになります。

それは、人間に優しいインターフェースよりも、信頼性とコンテキスト管理が重視される、SaaS製品の新しいパラダイムです。

そしてRisottoの直近の価値提案は、複雑なITシステムの混乱を整理することにあります。
「ある顧客は、Jiraを管理するだけで4人のフルタイム社員を雇っている」とSolbergは語ります。
「それはAIの実装とは関係なく、プラットフォーム自体を扱うためだけにです」

既存のチケッティングシステムを使いやすくすることには、まだ十分な価値があるのです。

まとめ:チケットの数だけ、物語がある

一枚の問い合わせチケットの裏には、助けを求める人の「困った」があります。
そしてそれを受け取る側にも、「どうにかして応えたい」という想いがあります。

Risottoは、その間に立って、両者がもっと気持ちよくやりとりできる未来をつくろうとしています。

チケッティングという、日常の中の”地味なストレス”を、AIと人の温もりで解決しようとする姿勢は、まるで、時間をかけて丁寧に煮込まれたリゾットのよう。

これからの業務は、もっとなめらかに、やさしくなれる。
そんな希望を感じさせてくれるスタートアップの物語でした。

参考:Risotto raises $10M seed to use AI to make ticketing systems easier to use

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