ある朝、あなたが使っている語学アプリを開いたら、こんな表示があったとしたらどう感じますか?
「こんにちは! あなたの新しいAI先生が、今日からレッスンを担当します」
ちょっとドキッとしますよね。
「えっ、AIが先生に?」と驚いた方も多いかもしれません。
でも、それが今、現実に起きていることなのです。
Duolingo がAIで 148 コースを新たに公開
2025 年4月30日、語学学習アプリの Duolingo が、148 の新しいコースをAIによって作成したと発表しました。
これは、同社の歴史上最大のコンテンツ拡大であり、現在のコース提供数を倍増させるものです。
この背景には、Duolingo が最近打ち出した方針があります。
それは、外部の契約者の仕事をAIに置き換え「AI優先」の企業になるというもの。
このアプローチにはユーザーからの反発もあり、賛否両論を巻き起こしています。
どうやってAIが語学コースを作るの?
「AIがコースを作るって、具体的にどういうこと?」と疑問に思う方もいるでしょう。
Duolingo の共同創設者兼 CEO のルイス・フォン・アーンは、プレスリリースで次のように述べています。
「最初の 100 コースを開発するのに約12年かかりましたが、現在では約1年で 150 近い新しいコースを作成して提供できるようになりました。これは生成AIが学習者に直接利益をもたらす素晴らしい例です」
新しい言語コースは、主に初心者レベルをサポートするように設計されており、読解力の向上を助ける「Stories」や、聴解力を高める「DuoRadio」などの機能が含まれています。
会社は今後数ヶ月でより高度なコンテンツを提供する予定です。
教える人がいない? それでも「学べる」時代に
この動きには、教育業界の未来が垣間見えますが、懸念も存在します。
月曜日に、フォン・アーンはスタッフに宛てたメールで、同社がAIにシフトし「AIが処理できる作業を行うための契約者の使用を徐々に停止する」と伝えました。
彼はまた「チームが自分たちの作業をより自動化できない場合にのみ、人員が与えられる」とも書いています。
「AIは単なる生産性向上ではありません」と彼は書きました。
「それは私たちのミッションに近づくのを助けます。上手に教えるためには、膨大な量のコンテンツを作成する必要がありますが、それを手動で行うことはスケールしません」
AI先生と人間先生、どちらがいいのか?
多くのユーザーはソーシャルメディアで同社の計画に対する不満を表明しています。
一部のユーザーはAIの使用によってアプリが不正確で質の低いコンテンツになっていると主張し、他のユーザーはアプリを削除して他の人にも同様の行動を促しています。
きっと、これからしばらくは「AI vs 人間」という議論が続くでしょう。
大事なのは「どちらが上か」ではなく「どう共存するか」です。
未来の教室は、ポケットの中に
Duolingo の今回の取り組みは、単なるテクノロジーの進化ではありません。
それは「学びとは何か?教えるとは何か?」という根本的な問いに、新しい視点を与えてくれるものです。
同時に、テクノロジーの進化がもたらす倫理的・社会的な課題も提起しています。
もしかしたら、未来の子どもたちは「先生って昔は人間だったんだよ」と聞いて驚くかもしれません。
けれど、どんなに形が変わっても「誰かが誰かに何かを伝える」という本質は、きっとこれからも変わらないのだと思います。
学ぶことは、生きること。
そして、AIがその旅のパートナーになっていく時代が、もう始まっているのです。
参考:Duolingo launches 148 courses created with AI after sharing plans to replace contractors with AI
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