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AIが”語る赤ちゃん”に32億円の大型投資!—話題のポッドキャスト革命の正体

AI

「ねぇパパ、あのときの赤ちゃんの声、もう一度聞かせて?」

ある夜、7歳になった娘が言ったその一言に、私はふと手を止めた。
スマホを探し、古い動画を再生すると、そこにはたどたどしく「まんま」とつぶやく幼い声が残っていた。

でも、もう少しだけ鮮明に、もっと生き生きと表現できたら…そんな願いを叶えてくれるアプリが、いま話題を集めています。

その名は Hedra(ヘドラ)
AIで生成された赤ちゃんや動物がポッドキャストをする時代が、本当に始まったのです。

「映像と声でストーリーを創る」テクノロジー

2023 年に設立された Hedra は、AIを活用したウェブベースのビデオ生成・編集スイートを提供しています。
同社の「Character-3」モデルを使用することで、ユーザーはAIで生成したキャラクターを中心とした動画を作成できるほか、画像や音声間でスタイルを転送することも可能です。

この技術により、例えば「新しい赤ちゃんと一緒に暮らすことがどんな感じか」をAIで生成された犬が語るようなポッドキャスト動画を作成することができるのです。
もはや、ただの録音や録画ではない新たな表現が生まれています。

3200 万ドル調達──注目されるその理由

2025 年5月、Hedra はシリコンバレーの名門VC、Andreessen Horowitz(通称a16z)のインフラストラクチャーファンドから 3200 万ドルのシリーズA資金調達に成功しました。
これに伴い、a16z の Matt Bornstein 氏が同社の取締役会に加わります。

なぜそれほどの注目を集めたのでしょうか?

Hedra の創業者兼 CEO である Michael Lingelbach 氏は、Synthesia のようなAI生成アバターをプレゼンテーションに重ねるツールと、Runway のような短いクリップを作成するビデオ生成ツールの間にあるギャップに着目したと語ります。

「ビデオ生成と3Dキャラクター、長いダイアログ、より優れたコントロール性の交差点にあるものを作れないかと考えました」と彼は述べています。

実際、Hedra は 2024 年6月に最初のビデオモデルをローンチし、すぐに投資家の関心を引きつけました。
Index Ventures、Abstract Ventures、a16z speedrun から 1000 万ドルのシード資金を調達し、今年初めには Amazon も Alexa ファンドを通じて同社に出資しています。

Lingelbach 氏によれば、今年3月の Character-3 モデルのローンチが大きな転機となり(a16z とのタームシートに署名した直後)、現在多くのユーザー成長を促進しているとのことです。

Hedra でできること──表現の無限の可能性

Hedra は単なるキャラクター動画生成ツールではありません。
様々な機能を組み合わせることで、クリエイターたちは新しい表現の可能性を探ることができます。

例えば:

  • AIで生成されたキャラクターによるポッドキャスト形式の動画
  • 物語の登場人物がリアルに動き語るビジュアルストーリー
  • 子どもの想像したキャラクターに”命を吹き込む”インタラクティブコンテンツ

Hedra のプラットフォームはキャラクターの動きと表情を中心にしていますが、Veo 2 や Kling などの他のモデルをビデオ生成に使用したり、Flux、Imagen3、Sana、Ideogram V2 などを画像生成に、ElevenLabs や Cartesia の音声モデルを声の生成やクローニングに利用することもできます。

競合との差別化と未来への展望

Hedra は Captions(a16zも出資)、Cheehoo(Greycroftが出資)、Synthesia、HeyGen などと競合していますが、同社のプラットフォームで生成される動画は、競合他社のものよりもキャラクターの表現力が高いと主張しています。

a16z の Bornstein 氏は、AI駆動型ビデオ生成の領域が進化するにつれて、キャラクター、モーション、声、編集などに焦点を当てたツールがさらに登場すると考えています。

「AIは環境やシンプルなアクションの素晴らしいクリップを生成できます。しかし、有意義な対話やアニメーションを生成することはできません。単にビデオを作るだけでなく、共感を呼ぶストーリーを作ることが重要です。それは主に、物語の中の人々とキャラクターによるものです。それがまさに Hedra が構築しているものです」と Bornstein 氏は述べています。

同社は新たな資金を活用して、よりカスタマイズ性の高い次期モデルの訓練と、AIで生成したキャラクターがユーザーとインタラクションできる技術の開発を進める予定です。

また、現在はクリエイターやプロシューマーの獲得に注力しており、企業のマーケティング部門からも問い合わせを受けているとのことです。

最後に──テクノロジーが創る新しい表現の形

これからの時代「記録する」は「創造する」に変わっていくのかもしれません。

思い出を単に保存するだけでなく、AIの力を借りて新しい表現へと昇華させる。
言葉や映像だけでは伝わらなかった感情を、インタラクティブなキャラクターを通じて表現する。

そんな未来を、Hedra は確実に私たちのそばに運んできています。

あなたのストーリーが、新しい形で誰かの心に届く日。
その第一歩を、Hedra と一緒に踏み出してみませんか?

参考:Hedra, the app used to make talking baby podcasts, raises $32M from a16z

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