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AIの裏側で動く 6000 億ドル。私たちが知らない”電気代戦争”の真実

AI

AIプロダクトを動かすには、膨大な計算能力が必要です。
そして今、テック業界がAIモデルの力を活用しようと競争する中、それを支えるインフラを構築する競争も並行して進んでいます。

Nvidia の CEO ジェンセン・フアンは、2020 年代末までにAIインフラに3兆〜4兆ドルが投じられると予測しています。
その過程で、電力網には計り知れない負荷がかかり、業界の建設能力は限界まで押し上げられています。


Microsoft の OpenAI への 140 億ドル投資

現代のAIブームのきっかけとなったのは、2019 年の Microsoft による OpenAI への10億ドル投資でした。
この取引により、Microsoft は OpenAI の独占的なクラウドプロバイダーとなり、その後投資額は約 140 億ドルにまで拡大しました。

ただし、2025 年1月には OpenAI が Microsoft の独占利用を終了し、他のプロバイダーも利用できるようになりました。

Oracle の急成長

2025 年6月30日、Oracle は 300 億ドルのクラウドサービス契約を発表。
相手は OpenAI でした。
これは同社の前年度のクラウド収益全体を上回る規模です。

さらに9月10日には、2027 年から始まる5年間で 3000 億ドルという史上最大規模の契約を発表。
この取引により、Oracle 創業者ラリー・エリソンは一時的に世界一の富豪となりました。

Meta の 6000 億ドル計画

マーク・ザッカーバーグは、2028 年末までに米国のインフラに 6000 億ドルを投資する計画を明らかにしました。

その一環として、ルイジアナ州に建設中の「Hyperion」データセンターは、2,250 エーカーの敷地に 100 億ドルをかけて建設され、5ギガワットの計算能力を提供します。
地元の原子力発電所との契約により、増大するエネルギー需要に対応します。

Stargate プロジェクト:5000 億ドルの野望

トランプ大統領の2期目就任から2日後、SoftBank、OpenAI、Oracle の合弁事業「Stargate」が発表されました。
5000 億ドルを投じて米国にAIインフラを構築する「史上最大のAIインフラプロジェクト」です。

SoftBank が資金を提供し、Oracle が OpenAI の助言を受けながら構築を進める計画でしたが、8月には関係者間の合意形成に課題が報じられました。
それでも、テキサス州アビリーンでは8つのデータセンター建設が進行中です。

環境への影響

こうした大規模建設には深刻な環境コストが伴います。
イーロン・マスクの xAI がテネシー州メンフィスに建設したデータセンターは、天然ガスタービンにより郡内最大のスモッグ発生源の一つとなっており、専門家は大気浄化法違反の可能性を指摘しています。


AIの未来は、人類の叡智だけではなく、現実的なインフラ投資によって決まります。
数千億ドル規模の取引が次々と成立し、電力、土地、水、そして環境への影響が問われています。

記事を読んで「なんだ、AIのことじゃなくて電力とインフラの話だったんだ」と思われたら、それは正しい解釈です。
それほどまでに、現代のAIは「電気で動く魔法」なのです。

参考:The billion-dollar infrastructure deals powering the AI boom

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